アニメ第1期の放送から早3年、アニメの完結篇に当たる劇場版「PSYCHO-PASS」がついに2015年1月9日(金)より公開されますね。
1期、2期とこの作品を追ってきた僕としては楽しさ反面ああこれで終わってしまうのかと思うとちょっぴり寂しかったりもします。
劇場版は物語の舞台を日本から海外へと移してアニメ版とは打って変わってド派手なアクションシーンが盛りだくさんなんだとか。また、アニメの第1期で自らの正義のために公安局から姿を消した狡噛さんが物語の大きなカギを握っているようです。
狡噛さんと朱ちゃんが再び相見えた時、二人は一体どうなってしまうのかそして物語の結末はいかに!? 虚淵さんのことですからね、どうせ一筋縄ではいかないことでしょう。
幸い僕が住む群馬県の映画館でも劇場版「PSYCHO-PASS」は上映されるようなのでこの週末にでも劇場へ足を運んで「PSYCHO-PASS」の結末をこの目に胸にしっかりと刻み込んできたいと思います。
と、まあ少し前置きが長くなってしまいましたが、この記事ではアニメの補完という意味では劇場版と通ずる部分があるのかな? 先日たまたま書店で見かけて購入した「PSYCHO-PASS」のスピンオフノベライズが面白かったのでシェアしたいと思います。
今回紹介するのは吉上亮著『PSYCHO-PASS ASYLUM』(ハヤカワ文庫JA)です!
Contents
スポンサーリンク
『PSYCHO-PASS ASYLUM』とは?
「PSYCHO-PASS ASYLUM」とはハヤカワ文庫JAから刊行されているアニメ「PSYCHO-PASS」のスピンオフ短編集です。全2巻全4篇。
世界観の拡張を主眼として本書の主人公である“シビュラシステムから疎外された者たち”――チェ・グソン・縢秀星・六合塚弥生&唐之杜志恩・宜野座伸元を通してアニメ本編では語りきれなかった「PSYCHO-PASS」の世界が描かれています。
また、本書ではアニメ本編では触れられることがなかった(上で挙げた)主人公たちの生い立ちや過去が詳細に描かれていて世界だけでなくそこに生きるキャラクターたちへの理解も深めることができます。
文体、文章の構成は?
「PSYCHO-PASS」というハードな世界観をハードに描いていますw
だから、どの物語も基本的にはシリアスな内容となっております。(唯一縢の話はほっこりできるかも?)
設定上これは仕方がなことなのですが、過激な暴力描写や性描写、目を覆いたくなるような胸糞が悪いシーンがちらほらと見受けられます。耐性がない方はちょっとキツイかもです。
SF小説という括りではそれ程ではないと思いますが、文体は少し硬めです。
あと、世界観の拡張を主眼においているのでまあそれがSFの醍醐味っちゃ醍醐味なのですが設定の説明が多いです。というか紙幅をほとんどそれに割いている感があります。
キャラクター同士の軽快な会話劇を期待して本書を手に取るとおそらく肩透かしを喰らうことでしょう。
ですが、だからと言って台詞がおざなりになっているというわけではなく台詞を読めばちゃんとというか余裕でアニメの声優さんの声で再生されますよ!
収録短編紹介
『PSYCHO-PASS ASYLUM 1』
第1巻には「PSYCHO-PASS LEGEND チェ・グソン 無窮花(ムグンファ)」と「PSYCHO-PASS LEGEND 縢秀星 レストラン・ド・カンパーニュ」が収録されています。
「PSYCHO-PASS」の世界という点では前者では国際情勢が後者では日本の食糧事情が描かれています。もう一つ付け加えると前者は短編集一重く暗い話、後者は短編集一明るく楽しい話になっております。
読んでみて頂ければ分かると思いますがホント両極端ですから。言うなれば“絶望”と“希望”と言った感じですかね。
チェ・グソン篇はこんなに報われない物語はかなり久ぶりでした。悲劇の兄妹もので言えば虚淵さんの鬼哭街以来ですかね、個人的には。
というか著者の吉上さんも第1巻の巻末で『鬼哭街』からは多大な影響を受けているとおっしゃっているので、もしかしたらそれを意識しているのかもしれませんね。
ページをめくるたびに胸が引き裂かれそうになるという。結構気軽な気持ちをで読み始めたのでそのダメージもひとしおでしたね。読み終わった後はゴッソリ体力を持っていかれました。
ですので老婆心ながら申し上げさせて頂きますとこの短編を読む際はちゃんと心の準備をしてからにすることをオススメします。
一方の縢秀星篇はというと一転心温まるエピソードとなっております。甘酸っぱいです。先の短編を読んで濁った色相が嘘のように浄化されていきます。縢と狡噛さんの絡みに萌えること間違いなしw
『PSYCHO-PASS ASYLUM 2』
第2巻には「PSYCHO-PASS LEGEND 六合塚弥生&唐之杜志恩 About a Girl」と「PSYCHO-PASS LEGEND 宜野座伸元 別離」が収録されています。
第1巻同様「PSYCHO-PASS」の世界という点では前者では児童虐待・望まない妊娠・カルト団体という多岐にわたるテーマが、後者ではペット事情が描かれています。
両篇共に子供とかそういういわゆる社会的弱者に焦点が当てられています。
六合塚弥生&唐之杜志恩篇は母は強しという言葉を改めて実感させられましたね、母性本能ぱないです!
あと、弥生さんとある人物と志恩の三角関係が見ものかとw 弥生さんに放置されて拗ねちゃう志恩がめちゃめちゃ可愛いかったですw
一方の宜野座篇はというとネタバレになってしまうのであまり深くは語れませんがアニメ第2期第9話の闇を深掘りした感じですかね。
他には知られざる宜野座のプライベートが明らかになります。これまた宜野座と狡噛さんの絡みに萌えること間違いなしw
このスピンオフ短編集を読んだ結果、自分の中で狡噛さんが萌えキャラ化してしまったきらいがあるのですが映画を見た時のギャップが凄そうですですw
まとめ
設定を読んでいる時のあのワクワクってなんなんですかね?
たまらないっすわ!
ちなみにですね、今年の2月末には吉上亮著「PSYCHO-PASS」スピンオフ長編小説『PSYCHO-PASS GENESIS 1』が発売されます。
『PSYCHO-PASS GENESIS 1』の主人公は征陸さん。「犯罪係数」「ドミネーター」がテーマになっているらしくシビュラ創生の歴史がひも解かれるんだとか!
めちゃくちゃ面白そうですよね。今から発売が楽しみです。
今後も「PSYCHO-PASS」から目が離せません!
それでは失礼します。