どうも、八幡です。
「カドカワ、とっちゃん坊や向け新ラノベレーベル立ち上げたってよ」
その名も「Novel 0(ノベルゼロ)」
レーベルのテーマはカッコイイ大人の生き様だとぉ!?
なにそれ買うわ!笑
というわけで、
先日、僕が憧れてやまない衛宮切嗣(えみや・きりつぐ)のようなカッコイイとっちゃん坊やを追い求めて試しに一冊買ってみました。
ノベルゼロは今年2月に創刊。
現在、既に10作品が刊行されています。
その中から今回僕はその表紙――そのタイトルから僕の中二マインドを最も刺激した『S20/戦後トウキョウ退魔録』を購入しました。
以下、『S20/戦後トウキョウ退魔録』のレビューを思いつくままに書いてみました。
ちなみにネタバレはありません! ご安心を!
Contents
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「Novel 0」とは?
本日2月15日(月)、株式会社KADOKAWAは、新文庫レーベルである“ノベルゼロ”を創刊いたしました。かつてヒーローに憧れた、元少年の大人たちに、熱い物語をお届けするレーベルです。これまでにない、三十代男性を中心とした大人の男性にターゲットを絞ったエンタテインメントノベルレーベルとして、著名作家陣による作品をお届けしてまいります!
レーベルコンセプトは、「大人の生き様」です。強大な敵に対し強く在りたい。逆境を打開したい。社会に抗い、誰にも恥じない生き様を見せたい――。大人の男であれば誰もが求める「逆転感」を持つ痛快な物語を描き、提供する。「格好いい大人の生き様」をレーベルの唯一のテーマ・矜持とします。
引用元:PRTIMES
あらすじ
時は昭和20年。場所は東京亀戸で。敗戦後の混沌とした日本を生き抜く男が二人。紙芝居屋を営む不器用な男が二人。その名、茶楽呆吉郎と襟之井刀次と申します。不治の呪いに機械仕掛け。二人が掲げる看板は、『不思議問題解決承リマス』
引用元:アマゾン
レビュー
本作は伊藤ヒロ先生と峰守ひろかず先生の共著です。
また、本作は一話完結型のエピソードが6つ収録された連作短編小説です。
あと、本作は襟之井刀次と茶楽呆吉郎という二人の主人公がいます。
襟之井刀次視点のエピソードを伊藤先生が担当して、茶楽呆吉郎視点のエピソードを峰守先生が担当しています。それぞれ三編ずつあります。
内容をざっくり説明すると……たとえば小説。
ファンタジー小説にしろSF小説にしろ推理小説にしろなんでもそうですが、ジャンル毎に「お約束」みたいなものがあるじゃないですか?
で、その「お約束」には「お約束」を確立させた元祖と言いましょうか、そう言った作品があるわけじゃないですか?
チームバトルの原点が山田風太郎先生の『甲賀忍法帳』と言われているように。
じゃあそう言った作品たちはどのように産まれたのでしょうか?
元ネタの元ネタは?
本作はそう言った現在も尚、媒体問わずそれぞれのジャンル毎に連綿と受け継がれている「お約束」を確立させることになった作品たちの制作秘話がフィクションの限りを尽くしてオカルトをスパイスにそれはもう荒唐無稽に描かれています。実際に起きた昭和の大事件と絡めて。
『月刊ムー』の編集者もビックリです!(多分)
何その伏線!? 小説家さんの妄想力すげぇっ!となること間違いなしです笑
真顔で「まったく、小学生は最高だぜ!!」と言われたら怖いじゃないですか?
でもそれ以上に面白いじゃないですか?
本作は終始そんな感じです。超シュール。超ぶっ飛んでます。
しかも後半になるに連れその度合いがどんどんエスカレートしていくという笑
『女騎士さん、ジャスコ行こうよ』や『魔王が家賃を払ってくれい』等、変なものを書くことに定評がある伊藤先生が半分書いているだけのことはあります。表紙に騙されちゃダメです。
いつもの伊藤先生です笑
あ、ちなみに文体はまぁまぁ硬めです。
作中ネタにされている「お約束」の元祖となった作品たちはノベルゼロが30代男性をターゲットにしているレーベルということもあって結構渋めのチョイスです。
が、20代半ばの僕が読んでも分かるような有名な作品ばかりでオチを読めばあぁあの作品のことねと直ぐにピンとくると思います。
それでも分からなかったらネットで調べてみてください。直ぐに出てきます。
僕も一つだけ元ネタが分からないものがあったのですが、キャラの名前で検索を掛けたら一発で出てきました。本作はそう言った楽しみ方もできます。
ちなみに主人公の二人はとある有名な漫画家さんがモデルになっています。
個人的にこういう虚実入り混じった混沌とした作品が大好きなんですよね~
ですから僕のように荒俣宏先生の『帝都物語』のような胡散臭い(もちろんい意味で)作風の小説が好きな方には本作はめちゃくちゃオススメです。
魔人・加藤保憲よろしく本作も強烈なキャラクター揃いですよ。
ロリババアも出てきます!笑
あと、昭和史に興味があるという方にもオススメです。
当時(昭和初期)の庶民の暮らしが結構丁寧に描かれています。
(異能)バトルシーンもあるにはあるのですが時代劇のクライマックスに良くあるチャンバラシーンみたいな扱いです。王道を探る本作にはなんとも相応しい扱いなんじゃないでしょうか。
これぞ様式美!まさに王道展開!そんな感じです笑
熱いバトルを期待して読むともしかしたら肩透かしを食らうかもしれませんが、本作はそこまでの過程とオチがどの短編を読んでもめちゃくちゃ面白いので、それはそれでまぁいいかなぁと思えるはずです。
最後にオカルト・伝奇・昭和(偽)史これらの単語にピンときた方は是非一度『S20 戦後トウキョウ退魔録』を読んでみてはいかがでしょうか。
あなたの偏った厨二知的好奇心を必ずや満足させてくれることでしょう。
というか、ある程度厨二リテラシーがあることを前提で物語が進みます。
そう言った意味では自分の厨二知識試しにもなって面白いんじゃないでしょうか笑
個人的に『Fate』や『ドリフターズ』を読んだ時と近い感覚になりました。
まぁ本作はあそこまで高い厨二リテラシーは要求されないのでご安心を笑
健全にオタクをやっていれば問題ありません!笑
いや~やっぱりこういう衒学的な作品はホントたまらないっすわぁ。
分からないくらいがちょうど良い^^b
また、短編集なのでどこから読んでも面白いですし、なにより読みやすい!
以上、『S20/戦後トウキョウ退魔録』のレビューでした。
それでは失礼します。